ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ・ラヴォー・サン・ジャック 2018
クロード・デュガ
1級畑の中でもトップクラス
2018ヴィンテージ情報
≪バーグハウンド誌 #77号 2020年1月10日掲載記事≫
6.7ヘクタールの土地を有するこのドメーヌを2人の姉妹たちと共に管理するクロード・デュガの息子ベルトランは、2018年ヴィンテージについて次のように語ってくれた。
「2018年は、様々な側面から見て秀逸なヴィンテージだった。この年の生育期の暑く乾燥した天候ももちろんこの年の特徴を語る上で考慮すべき点ではあるが、ワインの仕上がりの見事さも一考に値する。酷くジャミーでアルコール分の高いワインが出来ると殆どの人間が考えていたからだ。この年は、日に焼けた果粒はおろか、日に焼けた葉を一枚たりとも目にすることがなかった。収穫は8月29日から9月2日にかけて行い、これ以上にないほどクリーンな果実を収穫することが出来た。収穫量は前年の2017よりも至って低く、通常の年の収穫量を僅かに下回った。糖度と潜在アルコール度数は、高すぎず、12.5〜13.2%の間に留まった。醸造も問題なく順調に進み、ワインの仕上がりは、率直に言えば期待以上だった。と言うのも、テロワールの個性がよく反映されたフレッシュなワインにはなりえないかもしれないという心配があったからだ。だが、予想に反してこの年のワインは、フレッシュで生き生きとしたエネルギッシュなワインで、仕上がりには非常に満足している。」
ワインアドヴォケート誌2020年1月10日掲載記事
昨年も報じた通り、ドメーヌ・クロード・デュガは、先代のクロードから息子のベルトランと娘のレティシア、ジャンヌへの世代交代を経て、先代との違いがほんの少しずつワインのスタイルに表れてきている。2018ヴィンテージのバレル・テイスティングと瓶詰を終えた2017ヴィンテージのテイスティングを通して、デュガのワインが世代交代を経ても尚、往年に引けをとらない偉大なワインであることが改めて明らかになった。
細部まで手の行き届いた丹念なブドウ栽培と集団選抜によってデュガ家に受け継がれてきた古樹のブドウは、今も変わらないが、ワインのスタイルは僅かに進化を遂げている。収穫時期は以前よりも早くなり、シャプタリゼーションをやめ、新樽の使用も控えめになった。しかし何よりも、フランソワ・フレール社から仕入れた樽を使用して以前よりも樽香が控えめになり、従来よりも全体的に調和のとれたより一体感のある味わいに仕上がっている。これが2018ヴィンテージの成功に繋がった。この年ベルトラン・デュガは、ブドウを早摘みし、生き生きとした味わいを湛えつつも凝縮感のあるワインを生み出している。この年アルコール度数が13%を上回ったワインは僅か2〜3種類に留まった。
デュガの2018ヴィンテージは、ほとばしるような煌めきを放つアロマと生き生きとした果実のニュアンス、この上なく洗練されたタンニン、素晴らしい深みを兼ね備えて澱、実に胸躍るようなテイスティングとなった。デュガのワインを暫く味わっていない読者には、コート・ド・ニュイで最も優れた生産者の1つであるこのドメーヌのワインを改めて味わってみることを心からお勧めしたい。
テクニカル情報
産地:コート・ド・ニュイ地区/AOCジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ
品種:ピノ・ノワール100%
畑面積:0.29ha
樹齢:25年以上
醸造:新樽100%のバリックで18カ月間熟成
パーカーポイント94-96点:
グラスの中からほとばしるように香り立つオレンジの果皮や牡丹の花、熟れた野生のベリーやカシス、エキゾチックなスパイス、エスプレッソのロースト香を思わせる目を見張るような熟成香に新樽の香りが美しくしっかりと溶け込んでいる。口に含むと、ミディアム〜フルボディのヴェルヴェットのように滑らかな質感を持つ多元的な味わいが感じられ、円熟した酸と奥深く凝縮感のある果実味、余韻が長く旨味のある後味が広がる。この年のデュガのワインの中で最も円熟したスタイルを持つ。天然アルコール分は13%以上あるが、美しくバランスのとれた味わい。